リハビリテーション科
リハビリテーション科は、病気や怪我による障害を改善し、残存する機能を最大限に活かすための医療を提供します。ロコモティブシンドロームを念頭に、転倒や要介護状態になるのを予防したり、膝の痛みや腰の痛みなどで生活レベルを落とさないようにしたりといったことから、レベルを問わずスポーツへの復帰のサポートなどリハビリテーションの目的は多岐にわたります。
当院では、物理療法と運動リハビリテーションの治療を行っています。物理療法を支える機器類はまだ他施設で導入されていないものも多く導入しています。ウォーターベッドや干渉波、低周波、ホットパックなどの癒す物療機器も準備しておりますが、必要な患者様にはショックマスター（拡散型圧力波治療器）やフィジオ５D（３次元シフト干渉波）、フィジオアクティブHV（ハイボルテージ電気刺激治療器）、超音波治療器、骨折超音波治療器といった治す物療機器を最大限利用して頂けるようご提案致します。
当院では疾患の治療だけではなく機能改善による怪我予防も視野に入れた運動療法を行っております。安静でケガが一時的に治っても、体がケガをする前と同じままの状態（例えば可動域が落ちている、筋肉がかたい状態）だと同じようにケガを再発させてしまう可能性が高いです。そうならないようにケガの治療だけでなく、ケガをしない体を作り予防に努め、ケガをする前よりもパワーアップした状態で復帰出来るよう最大限のサポートをさせて頂きます。サッカー日本代表やJリーグ、プロ野球チームでチームドクターを勤めた院長によるスポーツ復帰・予防プログラムをご提案しております。中高年層の患者様にも年齢を理由にあきらめることは致しません。痛みを改善させるために、そして関節や筋肉、歩行の状態をよくするためにやれる運動療法はたくさんありますのでぜひご相談ください。
運動器リハビリテーション
当院では、理学療法士が患者様に合わせた運動リハビリプログラムを作成し、医師と協力して個別の治療を行っています。痛みや炎症の緩和だけでなく、姿勢や身体の使い方を改善し、痛みの再発を防ぐための適切な運動習慣を身につけるサポートも行っています。当院では歩行訓練に使う平行棒や、パフォーマンススペース、壁面鏡を使った動作確認など徹底した運動指導が可能です。通院で行う運動器リハビリテーションは物理的に限度もあるため、ご自宅にてご自身でもやって頂けるよう丁寧にご指導させて頂き、これをしっかり継続することでさらに効果が期待できます。
運動器リハビリテーションの目的
腰痛や膝関節痛、肩こりなどは、明確な外傷がなくても現れることがあります。これらの痛みは、普段の姿勢や身体の使い方、筋肉や関節のかたさなどと関連していることが多いです。機能障害の原因を特定し、改善して再発を防ぐために、問題の根源を探り出すことが重要です。痛みなどの症状が出ている部位だけに原因があるわけではないので患部だけ見ていても治らないような方は他の部位にも原因があることが多いのでぜひご相談下さい。
患者様一人ひとりにあったプログラム
同じ疾患名でも、それぞれの患者様によってその病態や原因は違うところに着目をする必要があります。患者様に適したリハビリテーションプログラムを作成するために、問診と理学的な検査（関節の可動域、筋力、姿勢、歩行など）を行い、機能障害の原因を特定します。患者様の身体状態を詳しく把握した上で、適切な運動や正しい姿勢、身体の使い方に関する指導をさせて頂きます。痛みなどの症状がとれたあとも再発を防ぐように御自身で続けて頂けるようなエクササイズをお伝え致します。
他の医療機関で投薬や治療を受けたけれども改善に乏しいときはぜひご相談ください。
物理療法
物理療法は温熱や電気などの物理的なエネルギーを利用して、痛みや腫脹を軽減、改善させることを目的とした治療方法です。整形外科や整骨院にて広く使われてきた治療方法の一つですが、実際に使う目的や使っている機器類は大きく違い、癒す目的で使用されていることもあれば、最新の知見、エビデンスに基づいて最新の機器を用いて行うものまで混同されやすい傾向がありますので注意を要します。しっかりそれぞれの状況に応じて、必要なものを、しっかりとしたビジョンと目的を持って提案して治療を行っていくことが必要です。
当院で行っている物理療法
温熱治療
温熱治療はホットパックなどを用いて、痛みの原因となっている箇所を温めて血行を促進し、筋肉の緊張を緩和する効果があります。ただし、炎症や怪我がある場合は、医師に相談してから温熱治療を行うようにしてください。
干渉波治療器（２次元＋３次元シフト干渉波）
干渉波治療器は、異なる周波数の電流を患部に流すことで、電流が身体内で交差し合い干渉電流が発生します。この刺激により、筋肉の動きを活性化し、血行を改善させて痛みを緩和する効果が期待されます。当院では通常の２次元干渉波に加えて、３次元干渉波を準備しております。これらを患者様それぞれの状況に合わせて使っていくことで、干渉波は表層から深層まで広範囲に広がりより効果的に治療を行うことが可能となるため、より高い治療効果をのぞむことができます。
拡散型圧力波（ショックマスター）
この拡散型圧力波治療器（ショックマスター）は世界６５か国で利用され、一般的な整形外科疾患を扱う臨床やスポーツフィールドに新たな選択肢をもたらし、鎮痛と治癒促進で慢性疾患に効果をもたらしています。圧力波による刺激で自由神経終末が効果的にマヒした状態になり、即時的な鎮痛効果をもたらします。頚部から足底まで治療部位は全身におよび、アプローチしづらい腱の硬結（腫れやかたさ）や付着部など外科手術や投薬にかわる新しい選択肢として世界中で注目されています。治療中は痛みを生じますが一時的なものでこのあとに鎮痛効果がみられます。治療の適応があるかどうかは医師とご相談ください。治療後は１週間程度の休養期間をおき、4-6回の治療で改善を図ります。
医師の指示のもと、基本的には理学療法士の治療の一環で対応致します（保険診療内治療）。理学療法の対象とならない部位や疾患の場合でショックマスターのみの治療で来院される場合は診察の際にご説明しますので遠慮なくご相談下さい。
ハイボルテージ電気刺激治療器
（フィジオアクティブHV）
瞬間的に高電圧の電流を流すことで皮膚抵抗を最小限に抑え、刺激感の少ない電気刺激が深部到達するのを可能にした治療器で優れた鎮痛効果や治癒促進効果を発揮します。リハビリでの筋委縮改善や筋力トレーニングにも使用されます。超音波治療器と併用することで相乗効果が期待できます。
ES400
干渉波モード
皮膚表面への刺激が少ない中周波を使用し、深部の筋肉まで治療が可能です。知覚神経に作用することで痛みのブロック作用があります。
EMSモード
医療・スポーツ分野で幅広く活用されていて、筋萎縮の改善や低下した筋力のトレーニングを目的とした治療です。
運動療法と組み合わせて使用することで高い効果を発揮します。
MCRモード
損傷した組織を修復するのに適した微弱な電流刺激です。スポーツ分野ではトップアスリートがケガからの早期復帰や日々の疲労回復に活用しています。電気刺激特有のビリビリ、チクチクした刺激がほとんど無いため、電気刺激が苦手な方でも安心して治療を受けられます。
超音波治療器
超音波が生体組織に照射される際に生じる熱で温熱作用を発生させることが出来ます。生体深部までエネルギーを到達させることが出来る超音波により疼痛や腫脹の改善、筋や関節、靭帯周囲の痛みを早期に軽減することを目的に治療が行えます。電気刺激装置と組み合わせたコンビネーション治療が可能で、超音波と電気刺激の両方の効果が期待でき早期のスポーツ復帰などを促すことが出来ます。
骨折超音波治療器
低出力パルス超音波（LIPUS : Low Intensity Pulsed Ultra Sound）の音圧効果により、骨折部位の骨形成を促進し、骨折した部位が癒合する（くっつく）期間を約40パーセント短縮することができることが科学的に証明されています。骨折を早く治したい場合、大事な大会を控えているときといった早くスポーツ復帰したい場合などに使って頂くことが出来ます。
ウォーターベッド
水圧を利用したベッド型のマッサージ器で多くの方に親しまれ愛用されている機器です。通常のマッサージと同様に血行促進などの効果があり、心地よい刺激によるリラクゼーション効果、そして全身の緊張緩和も得られます。他の治療と組み合わせることで相乗効果をのぞむこともできます。